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メディアの大きな役割
2008/05/10(Sat)
硫化水素を使った自殺がなぜ急激に増加したか。

誰でも入手できるネット上の情報として公開されたから…それは確かにそうです。
では、その情報がネットで流れているということを何から知ったのか。
「ネット集団自殺」が多発し、いわゆる「自殺系サイト」の存在が問題となっている中で起きた事件。
「簡単に自殺できる方法がネットで紹介された」 という点に非難が集中しました。
アクセスしさえすればどんな情報でも手に入る、双方向に匿名性のあるネットへの批判。

もちろん、このようなネットの使われ方は改められなければなりません。
新しい、利便性に優れたメディアとして急激な発展をとげたインターネット。
社会的な問題となった部分には、後手回しながら、種々の規制をかけることも必要でしょう。

しかしTV・新聞などの事件報道の影響についても、もっと議論されるべきではないでしょうか。

今回、硫化水素を発生させることによって自殺を決行した人たちの数は
「ネット上に公開された方法で自殺した事件があった」 とメディアが報道したのち急激に増加。
これは、「避ける事が出来た事態」 だと思えてならないのです。


先日の記事で紹介した、著しい成果を上げた 「フィンランドの自殺対策プロジェクト」 。
その理念は、「自殺は予防できるものであり、自殺予防は社会全体で取り組むべきである」。

当時のフィンランド社会では自殺を肯定、または容認する傾向があり、特に問題だとされました。
繰り返される自殺に慣れてしまうと、社会が「個人の絶望」にたいして無関心になり、
その結果、「しようがないこと」、「人生の問題の解決方法」、「個人の問題」「個人の権利」
というように自殺を容認する社会に変容する
恐れがあり、福祉国家の理念に反する、と。

日本の現在の状況はまさにこの通りではないでしょうか。
「個人の問題」。 ほとんどの人が、無意識にそう思っていないでしょうか。
「本人が弱かったからしかたがない」 「(うつなどの)病気だったからしかたがない」

フィンランドでは、社会全体のこのような意識を変えていくことが緊急課題だと考えられたのです。
そして特に 『マスメディアの役割』 が重視され、報道方針の再検討が求められました。

「国民へのサービスを行う報道機関には、建設的でかつ創造的な選択の方向や、肯定的な
人生観を促進する義務があり、報道には群発自殺を防ぐための配慮がなければならない。」

このような考えに基づいた政府側が、報道従事者に対して意見調査やセミナーが実施されました。

のちに各国が参加して国際学会で比較検証が行われた結果では、
各国の報道件数と自殺率の間には関連性が見出せなかったものの、
フィンランドの報道の質は10年の間に明らかに変化し、自殺を肯定する報道は姿を消しています。

そして、自殺者の年齢・自殺した場所や内容の細部は一切報道されていないという事実。


日本では、かつて軍国主義へと走った過去への反省からか
自由な報道に対して制限を加えることについて、アレルギーのような拒否反応があります。
しかし、社会全体に対する責任、公共の福祉を考えた時、
マスメディアの大きな影響力をどのようにコントロールするか、改めて考える時ではないでしょうか。

確実に大きな成果を上げたフィンランドの先例が指し示す方向性は、
いままさに、立ち止まって考えてみるべきひとつの道ではないか。

一人歩きする『巨大な情報化社会』が、日本のすべての人々の幸福に貢献するものとなるために


★参考文献: フィンランドの自殺予防対策-国と自治体の連携の試み-PDFファイル
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コメント
-  -
マスメディアの影響力は確かに大きいですよね

どこまでが報道の自由であり
どこまで隠すかどこまで明らかにするか

自殺者の年齢・自殺した場所や内容の細部は一切報道されていないということが
本当に正しいのか
それが適切なのか
実は私には良くわからないのです

どこまでが守る配慮なのか
どこまでが隠し通すべきなのか
ちゃんとわかってなければいけない大人が
こんなことではダメなんですけど・・


2008/05/10 21:31  | URL | ako #JNaGb44s[ 編集]
- akoさま -
自分がね すっごいエラそうなこと言ってるなとは思うんですよー(-_-;)
だけど、消えなくて済むいのちが消えてしまったと思ったら
黙ってる事がどうにも苦しくて

ネット集団自殺でも、硫化水素自殺でも、決行するひとの心理は似通ってませんか
「自分だけじゃない」
こういう心理的な共有に人間は弱いし、良くも悪くも増幅します
自殺報道だけじゃなく、犯罪の事件報道もそうです
若い女性が殺害される事件が相次ぎ、どうやって殺されたか、所持品・着衣はどうだったか、
被害者の当日の足どりから家庭環境まで報道で公開して
それで、同様の事件はやはりあとからあとから起きています。

注意を喚起する役割は果たしているんでしょう
だけど「模倣犯」というのは確かにある。ほんとうに悔しいです。

いかにも、という調子で記事を書きましたが、私も確実だとは思わない
成功をおさめた前例があるというだけです。
個人の分別や判断にたよる段階はもう過ぎているのではないかという焦りに似た気持ちです
2008/05/11 01:19  | URL | ささめ #-[ 編集]
-  -
消えなくてすむ命が消えるのは
私もたまりません

焦りを感じると言う気持ちは凄く分かる

後から後から続く色んな事件は
個人の力だけではどうにもならないんでしょうか?

でもどうにかできるほんのひとかけらにでもなれたら・・

ささめさんのように こういう事を書いていくって
とっても大事なことなんじゃないか
それはとても思います
2008/05/12 02:21  | URL | ako #JNaGb44s[ 編集]
-  -
こんばんは。
自殺報道について、自殺者の年齢・自殺した場所や内容の細部は出さないというのは正しいと思います。
メディアのコントロールも、ある程度は必要かもしれません。
そして同時に、学校教育での取り組みに力を入れるべきたと思うのです。
人はなぜ自殺するのか、その具体例から、その対処方法などを議論するような授業があってもいいと思います。
2008/05/12 02:39  | URL | アシタカ #JBFGtPPo[ 編集]
- akoさま -
何のチカラもないオバサンが片隅でブツブツ言ってるだけじゃどうにもこうにも(笑)

ボランティアやそれに近い形で真剣に取り組んでいる人たちもたくさんいるし
そうでなくても、今の状態を「おかしい」「どうにかならないのか」
日常でそんな話になる場面は多いでしょう
数でいえば良識のある人たちが多いはずなのにもかかわらず
今の日本の社会はおかしいんですね

個人の力の積み重ねはもちろん大事だし、無力感にとらわれては本末転倒
ひとつひとつを見て「ここをこうすれば」「これを手伝おう」というのは個人でもできますし

だけどのほんとうの問題の根は今の社会状況にあるとしか思えない
社会全体を変えて行くことを考えなければと思うんですよ
2008/05/12 11:54  | URL | ささめ #-[ 編集]
- アシタカさま -
うんうん、教育もそうですね アシタカさんさすが♪
メンタルな問題をかかえている人たちへの理解が無い人がまだ多すぎる
知識を持ってることが前提でオトナになればずい分違うはずですよね
自分自身にも他の人にも大きなチカラになる!

もうひとつ、受身の姿勢で社会人になったら、今の日本はあまりにツライ
自分たちが社会を作って行くんだというキモチ
前向きな人材を送り出すことも教育の役割でしょうね

まず、教育現場そのものが疲弊している今の状況をどうにかしなければなのですが(-_-;)
2008/05/12 12:11  | URL | ささめ #-[ 編集]
- おはようございます。 -
硫化水素の自殺の報道から負の連鎖が生まれて、そこでやっとその方法などが紹介されているサイトへの規制が始まりましたよね。

順序がまるで逆だったのじゃないかと思います。

メディアでは、情報を提供する→同じような事件・事故が続く→それをまた報道する。。。
この繰り返しのような気がします。

>一人歩きする『巨大な情報化社会』が、日本のすべての人々の幸福に貢献するものとなるために

本当にそうですよね。
私もそう願います。
2008/05/13 08:53  | URL | 如月 #Q9o2tpIk[ 編集]
- 如月さま -
豊かになったはずの日本で、弱い者がつぶされるのが日常風景ではおかしすぎますよね
ネットだけを悪者にして規制してそれで済むわけでもない
それを言いたくて、くどくどくどくど書いちゃって(笑)
お付き合い頂きましてありがとうございますーm(__)m

てか、メディア側の動きがもっと出てきてほしいんですけどねぇ
2008/05/14 00:12  | URL | ささめ #-[ 編集]
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